○香南市ダイオキシン類による健康被害の防止及び生活環境の保全条例
平成18年3月1日
条例第141号
(目的)
第1条 この条例は、ダイオキシン類対策特別措置法(平成11年法律第105号。以下「法」という。)と相まって、香南市環境基本条例(平成18年香南市条例第137号)第3条に定める環境の保全に関する基本理念にのっとり、香南市におけるダイオキシン類の発生及び排出の抑制を推進することにより、人の健康に係る被害を未然に防止するとともに、生活環境の保全を図ることを目的とする。
(1) ダイオキシン類 ポリ塩化ジベンゾフラン、ポリ塩化ジベンゾ―パラ―ジオキシン及びコプラナーポリ塩化ビフェニルをいう。
(2) 小型焼却炉 ダイオキシン類対策特別措置法施行令(平成11年政令第433号)別表第1第5号の規定に該当しない廃棄物焼却炉をいう。
(市の責務)
第3条 市は、ダイオキシン類の発生及び排出を抑制するため、本市の自然的社会的条件に応じた総合的かつ計画的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。
2 市は、前項の施策の策定及び実施に当たり、必要と認めるときは、国及び他の地方公共団体その他関係機関と協力して行うように努めなければならない。
3 市は、ダイオキシン類の発生及び排出の抑制のための施策について、事業者及び市民に対し、積極的な啓発及び指導に努めなければならない。
(事業者の責務)
第4条 事業者は、その事業活動を行うに当たっては、ダイオキシン類の発生及び排出のおそれのない製品の製造及び使用に努めるとともに、廃棄物の発生の抑制、再生利用の促進による廃棄物の減量化その他廃棄物を適正に処理することにより、ダイオキシン類の発生及び排出を抑制するよう努めなければならない。
2 前項に定めるもののほか、事業者は、市が実施するダイオキシン類の発生及び排出の抑制に関する施策に協力する責務を有する。
(市民の責務)
第5条 市民は、廃棄物の発生の抑制、再生利用の促進に努め、焼却により処理する廃棄物の減量を図る等により、ダイオキシン類の発生及び排出を抑制するよう努めなければならない。
2 前項に定めるもののほか、市民は、市が実施するダイオキシン類の発生及び排出の抑制に関する施策に協力する責務を有する。
(ダイオキシン類の濃度の調査測定等)
第6条 市長は、大気、土壌その他ダイオキシン類が残留し、人の健康に被害を及ぼすおそれがあると認められるもの(以下「汚染対象物」という。)について、必要があるときは、ダイオキシン類の濃度を調査測定(法第27条第1項の規定による調査測定を除く。)するものとする。
3 市長は、第1項の規定により調査測定をしたときは、その結果を審議会に報告するとともに、審議会において特別の理由があると認めた場合を除き、これを公表しなければならない。
(抑制計画の策定)
第7条 市長は、ダイオキシン類の発生及び排出を抑制するため、ダイオキシン類抑制計画(以下「抑制計画」という。)を定めることができる。
2 抑制計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) ダイオキシン類の発生及び排出を抑制するための施策の大綱
(2) ダイオキシン類の発生及び排出を抑制するための指導基準
(3) その他ダイオキシン類の発生及び排出を抑制するために必要な事項
3 市長は、抑制計画を定めるに当たっては、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。
4 市長は、抑制計画を定めたときは、速やかに、これを公表しなければならない。
5 前2項の規定は、抑制計画の変更について準用する。
(小型焼却炉の構造基準等)
第8条 小型焼却炉は、規則で定める構造基準に適合しなければならない。
2 小型焼却炉を用いた廃棄物の焼却は、規則で定める維持管理基準に適合しなければならない。
(小型焼却炉の設置の届出)
第9条 小型焼却炉を設置しようとする者は、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を市長に届け出なければならない。
(1) 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
(2) 小型焼却炉を設置する施設等の名称及び所在地
(3) 小型焼却炉の構造
(4) 小型焼却炉の使用の方法
(経過措置)
第10条 一の焼却炉が小型焼却炉となった際現にその焼却炉を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)は、当該焼却炉が小型焼却炉となった日から30日以内に、規則で定めるところにより、前条各号に掲げる事項を市長に届け出なければならない。
(事故時の措置)
第15条 小型焼却炉を設置している者(以下「設置者」という。)は、小型焼却炉の故障、破損その他の事故が発生したときは、直ちに、当該小型焼却炉の使用の一時停止その他の必要な応急の措置を講ずるとともに、その事故を速やかに復旧するよう努めなければならない。
(小型焼却炉に係る焼却灰等の処理)
第16条 設置者は、小型焼却炉から排出される焼却灰その他の燃え殻(以下「焼却灰等」という。)が飛散し、及び流出しないよう措置を講じなければならない。
2 設置者は、小型焼却炉から排出される焼却灰等の処分を行う場合は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)その他関係法令の諸規定に従い、当該焼却灰等を適正に処理しなければならない。
(立入調査等)
第17条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、事業者及び市民(以下「事業者等」という。)に対して報告若しくは資料の提出を求め、又は事業者等の当該事業等の用に供する土地若しくは建物に立ち入り、廃棄物その他の物件の保管等若しくは焼却炉等廃棄物の処理若しくは処分の用に供する施設の構造若しくは維持管理等に関し調査し、若しくは汚染対象物の検査(以下「立入調査等」という。)をすることができる。
2 市長は、前項の規定による立入調査等をするため必要があるときは、必要な最少量に限り土壌その他の物を無償で集取することができる。
3 市長は、立入調査等をその命じた者又は委任した者に行わせることができる。
4 立入調査等をする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
5 立入調査等の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(3) 第12条第1項の規定に違反して小型焼却炉を設置し、又は小型焼却炉の構造若しくは使用の方法を変更した者
(4) 前条第1項の規定に違反して報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者
(5) 前条第1項の規定に違反して立入調査等を拒み、妨げ、又は忌避した者
(6) 前条第2項の規定に違反して正当な理由がないのに土壌等の集取を拒み、妨げ、又は忌避した者
2 市長は、前項の規定による勧告を受けた者が、当該勧告に従わないときは、期限を定め勧告に従うことを命じ、又は違反行為の停止その他必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
3 市長は、前項の規定による命令を受けた者が当該命令に従わないときは、当該勧告を受けた者に弁明の機会を付与した上で、その者の氏名等を公表することができる。
(ダイオキシン類対策審議会)
第19条 この条例により、その権限に属する事項を審議するほか、市長の諮問に応じてダイオキシン類対策に関する基本的事項について調査審議するため、香南市ダイオキシン類対策審議会(以下「審議会」という。)を置くことができる。
2 審議会は、ダイオキシン類対策に関する基本的事項について市長に意見を述べることができる。
3 審議会は、委員15人以内で組織する。
4 特別の事項を調査審議させるため必要があるときは、審議会に特別委員を置くことができる。
5 委員及び特別委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。
(1) 学識経験を有する者及び市民
(2) 関係行政機関の職員
(3) その他市長が適当と認める者
6 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
7 特別委員の任期は、当該特別の事項に関する調査審議が終了するまでの間とする。
8 審議会の会議及び審議会に提出された資料は、公開するものとする。ただし、審議会の会議において非公開と決定したものについては、この限りでない。
9 委員及び特別委員は、前項本文の規定により公開されるべきものを除き、その職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
10 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成18年3月1日から施行する。
3 施行日の前日までにした行為に対する罰則の適用については、なお合併前の条例の例による。