○老人福祉法に基づくやむを得ない事由による措置要綱

平成22年7月1日

告示第42号

(趣旨)

第1条 この告示は、老人福祉法(昭和39年法律第133号。以下「法」という。)第10条の4第1項及び第11条第1項第2号の規定に基づき、やむを得ない事由による措置(以下「措置」という。)を行うために必要な事項を定める。

(対象者等)

第2条 措置の対象者(以下「対象者」という。)は、介護保険法に規定する被保険者で、やむを得ない事由により介護保険法(平成9年法律第123号)に規定する介護サービスを利用することが著しく困難な者とする。

2 前項の「やむを得ない事由」とは、次の各号に掲げる場合とする。

(1) 対象者が家族等の虐待又は無視を受けている場合

(2) 認知症その他の理由により意思能力が乏しく、かつ、対象者を代理する家族等がいない場合

(3) その他市長がやむを得ない事由と認める場合

(措置の内容)

第3条 市長は、対象者に対し、必要に応じて次の各号に掲げる措置を行うものとする。

(1) 介護保険法に規定する居宅サービス(訪問介護、通所介護、短期入所生活介護、小規模多機能型居宅介護又は認知症対応型共同生活介護)を供与すること。

(2) 特別養護老人ホームに入所すること。

(3) その他必要な便宜を供与すること。

(措置の決定)

第4条 市長は、対象者であると見込まれる者を発見し、又は関係機関等から通報を受けたときは、直ちに対象者の実態を調査する。

2 市長は、対象者が介護保険法に規定する要介護認定を受けていない場合は、必要に応じて要介護認定を実施する。ただし、急を要する場合は、次項による措置の決定後又は措置の開始後にこれを実施する。

3 市長は、第1項の実態調査又は第2項の要介護認定の結果を基に、次の各号に掲げる事項を総合的に考慮して措置の決定を行う。

(1) 対象者の意思と尊厳

(2) 対象者及び家族等の身体及び精神の状況並びに置かれている環境

(3) 近隣住民等の生活への影響

(4) その他対象者及び家族等の福祉を図るために必要な事情

4 市長は、前項の決定を行った場合は、措置決定通知書(様式第1号)により対象者に通知し、できるだけ早い時期に措置を開始するものとする。

5 市長は、措置を決定した後、随時、対象者及びその出身世帯を訪問し、必要な調査及び指導その他必要な援助を行うものとする。

(事業の委託)

第5条 市長は、必要に応じ、法の規定による老人居宅生活支援事業を行う者又は特別養護老人ホームの設置者(以下「事業者」という。)第3条各号に掲げるサービスを提供することを委託するものとする。

2 市長は、前項によるサービスを提供することを委託する場合は、措置委託通知書(様式第2号)により、提供することを委託する事業者に対し通知するものとする。

3 市長は、事業者が第1項の規定による委託を正当な理由なく拒んだときは、法第20条の規定により、当該事業者に措置を受託させるものとする。

(費用の支弁)

第6条 市長は、措置に要する費用を次に掲げるとおり支弁する。

(1) 第3条(1)及び(2)の措置に係る者が、介護保険法の規定により当該措置に相当する介護サービスの保険給付を受けた場合は、その保険給付相当額。ただし、生活保護法(昭和25年法律第144号)の規定による介護扶助を受けた場合はその介護扶助相当分又は介護保険法の規定による利用者負担の軽減措置を受けた場合はその軽減分を上乗せした額を支弁する費用から除くものとする。

(2) 第3条(2)の措置に係る者が、介護保険法の規定により当該措置に相当する介護サービスの保険給付を受けられない場合は、「老人福祉法第11条の規定による措置事務の実施に係る指針について」(平成18年1月24日付老発第0124001号厚生労働省老健局長通知)による老人保護措置費支弁基準(以下「支弁基準」という。)に基づき、1.事務費(1)施設(月額)ア.一般事務費(別表1養護老人ホーム一般事務費基準額(月額)中、入所者数41―50、地域区分左記以外)に、支弁基準の2.生活費(1)一般生活費(区分養護老人ホーム及び養護受託者乙地)を加えた額を支弁する。ただし、月途中で措置を開始し又は廃止した場合、当該月の支弁額は次により算定した額とする。この場合、100円未満は切り捨てとする。

なお、各種加算は適用しないものとする。

支弁月額(事務費及び生活費)×(当該月の実措置日数/当該月の実日数)

(費用の請求)

第7条 事業者は、措置に要する費用について、措置費請求書(様式第3号)により市長に請求するものとする。

(費用の徴収)

第8条 市長は、第6条の規定により費用を支弁した場合は、当該措置の係る者又はその扶養義務者(民法に定める扶養義務者をいう。)(以下「被徴収者」という。)から、その負担能力に応じて、当該措置に要する費用の全部又は一部を費用徴収額請求書(様式第4号)により徴収するものとする。ただし、被徴収者が次の各号のいずれかに該当する場合には、費用の徴収を免除することができる。

(1) 費用を徴収することによって生活保護を要する状態になる場合

(2) り災その他特別な事情によって生計が著しく悪化している場合

(3) その他費用の徴収が著しく困難であると市長が認めた場合

2 当該措置に要する費用の全部又は一部を徴収する基準は、別表1及び別表2のとおりとする。

(措置の変更)

第9条 市長は、措置に係る者が他の措置を受けることが適当であると認められるに至った場合は、その時点において、措置を変更するものとする。

2 市長は、措置を変更したときは、措置決定通知書(様式第1号)及び措置委託通知書(様式第2号)により、当該措置に係る者及び当該事業者に対し通知するものとする。

(措置の解除)

第10条 市長は、措置に係る者が次の各号のいずれかに該当する場合、その時点において、措置を解除するものとする。

(1) 特別養護老人ホームに入所すること等により、家族等の虐待又は無視の状態から離脱し、介護保険法に基づく介護サービスの利用に関する契約を行うことができるようになった場合

(2) 成年後見制度等に基づき、本人を代理する後見人等を活用することにより、介護保険法に基づく介護サービスの利用に関する契約を行うことができるようになった場合

(3) その他市長が、措置に係る者がやむを得ない事由の解消により介護保険サービスの利用が可能になったと認めた場合

(4) 介護保険サービスの利用が可能になったか否かに限らず、市長がやむを得ない事由が解消したと認めた場合

2 市長は、措置を解除したときは、措置決定通知書(様式第1号)及び措置委託通知書(様式第2号)により、当該措置に係る者及び当該事業者に対し通知するものとする。

(成年後見制度の活用)

第11条 市長は、措置に係る者が介護保険法に基づく介護サービスの利用に関する契約を行うことができるようにするため、特に必要があると認めるときは、法第32条に規定する審判を請求するなどして、当該措置に係る者が民法に規定する成年後見制度等を活用できるよう援助するものとする。

(状況報告)

第12条 第5条の規定により、老人福祉法に基づくやむを得ない事由による措置の委託を受けた者は、毎月1回、措置対象者状況報告書(様式第5号)を市長に提出することとする。

2 対象者の状況に変化がみられたときには、措置対象者状況報告書(様式第5号)により随時市長に報告をするものとする。

(その他)

第13条 この告示に定めるもののほか必要な事項は、市長が別に定める。

この告示は、平成22年7月1日から施行する。

(平成22年10月1日告示第58号)

この告示は、平成22年10月1日から施行する。

(令和4年3月25日告示第17号)

この告示は、令和4年4月1日から施行する。

別表1(第8条関係)

措置費徴収基準

老人福祉法に基づくやむを得ない事由による措置要綱第3条(1)及び(2)の措置に係る者が、介護保険法の規定により当該措置に相当する介護サービスの保険給付を受けた場合の費用徴収額

区分

利用者負担段階

介護保険利用料

食費

居住費

第1段階

老人福祉法に基づくやむを得ない事由による措置要綱第8条の免除要件に当てはまる者

免除

免除

免除

第2段階

年間の収入額が80万円未満の者

免除

全額徴収

全額徴収

第3段階

年間の収入額から国税庁発布の公的年金等に係る雑所得の速算表により算出された金額が125万円未満の者

※半額徴収

全額徴収

全額徴収

第4段階

上記の要件に当てはまらない者

全額徴収

全額徴収

全額徴収

※ 半額徴収(なお、半額の金額が対象者の高額介護サービス費上限額を超える場合には、高額介護サービス費上限額を上限として徴収する。)

別表2(第8条関係)

老人福祉法に基づくやむを得ない事由による措置要綱第3条(2)の措置に係る者が、介護保険法の規定により当該措置に相当する介護サービスの保険給付を受けられない場合の費用徴収額

養護老人ホーム被措置者/養護委託による被措置者/費用徴収基準


対象収入による階層区分

費用徴収基準月額


1

0

~270,000

0

2

270,001

~280,000

1,000

3

280,001

~300,000

1,800

4

300,001

~320,000

3,400

5

320,001

~340,000

4,700

6

340,001

~360,000

5,800

7

360,001

~380,000

7,500

8

380,001

~400,000

9,100

9

400,001

~420,000

10,800

10

420,001

~440,000

12,500

11

440,001

~460,000

14,100

12

460,001

~480,000

15,800

13

480,001

~500,000

17,500

14

500,001

~520,000

19,100

15

520,001

~540,000

20,800

16

540,001

~560,000

22,500

17

560,001

~580,000

24,100

18

580,001

~600,000

25,800

19

600,001

~640,000

27,500

20

640,001

~680,000

30,800

21

680,001

~720,000

34,100

22

720,001

~760,000

37,500

23

760,001

~800,000

39,800

24

800,001

~840,000

41,800

25

840,001

~880,000

43,800

26

880,001

~920,000

45,800

27

920,001

~960,000

47,800

28

960,001

~1,000,000

49,800

29

1,000,001

~1,040,000

51,800

30

1,040,001

~1,080,000

54,400

31

1,080,001

~1,120,000

57,100

32

1,120,001

~1,160,000

59,800

33

1,160,001

~1,200,000

62,400

34

1,200,001

~1,260,000

65,100

35

1,260,001

~1,320,000

69,100

36

1,320,001

~1,380,000

73,100

37

1,380,001

~1,440,000

77,100

38

1,440,001

~1,500,000

81,100

39

1,500,001円以上

150万円超過額×0.9÷12月+81,100(100円未満切捨て)

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老人福祉法に基づくやむを得ない事由による措置要綱

平成22年7月1日 告示第42号

(令和4年4月1日施行)