○香南市設計変更に関する事務取扱要領
令和2年3月23日
訓令第6号
(基本原則)
第1条 工事の発注に当たっては、事前の計画及び調査を慎重に行い、工期中みだりに設計変更の必要を生じないように措置するべきである。しかしながら、工事には、その性格上不確定な条件を前提に設計書を作成せざるを得ない場合等があり、このような原因により設計変更を伴うものについては、契約の同一性を失わない限度において建設工事請負契約書(以下「契約書」という。)の規定に基づき、その一部を変更することができる。
(1) 延長(数量) 当初設計の20パーセント以内の範囲で増減をする場合
(2) 単価 当初設計にない新たな工種が生じた場合及び契約書第25条の規定による変更をする場合
(3) 箇所 当初設計の起点又は終点を20パーセント以内の範囲で変更する場合。ただし、変更前の工事箇所と変更しようとする工事箇所とが連続している場合とする。
(4) 工法 当初設計に基づく決定工法では施工が不可能な事態が生じた場合における決定工法と同一程度の効用を有する工法に変更する場合
2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合にあっては、設計変更をすることができる。
(1) 工事現場の地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件が実際と相違する場合
(2) 契約書第18条第4項の規定により、前号に規定される事由以外の事由により設計変更しようとする場合又は実施設計書の施工条件を処理するために設計変更しようとする場合(前項各号列記以外の部分で定める範囲に限る。)
(3) 特別の事情により、市長が特に必要と認める場合
(設計変更の手続)
第4条 設計変更の手続は、次によるものとする。
(1) 工事施工中において設計を変更する必要が生じたときは、原則として変更設計書を作成し、必要により契約変更の手続をとること。
(2) 契約した工事についての設計を変更する必要が生じたときは、原則として次のとおり事業主管課長と事前協議を行うこと。
ア 後日の設計変更により措置ができる見込みの変更については、その都度変更は行わず、設計変更事前協議書(様式第1号)により変更の承認があったものとし、工事の継続施工の迅速化等を図るものとする。ただし、変更部分が工法的にも簡易であり、かつ、その数量も軽微なものと認められるものは、事前協議を省略することができる。
イ アに規定する事前協議の変更の承認のみでは、変更契約を行っていない施工部分の支払はできないので、この部分の支払については、契約変更の手続等を経て行うものとする。
ウ 設計変更の事前協議の対象及び範囲は、次のとおりとする。
(ア) 主務大臣の承認を必要とする設計変更
補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年法律第179号)及び公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法(昭和26年法律第97号)の規定に基づき補助事業等に要する当該箇所における決定工事費の配分等の変更で主務大臣の承認を必要とするものにかかる設計変更
2 条件変更等の処理方法は、次のとおりとする。
(1) 受注者から契約書第18条第1項に基づく通知を受け、確認を求められた場合の処理は、次によるものとする。
ア 監督職員は、受注者に対して工事条件変更等確認要求書(様式第2号)に「変更事項」を記入させ、2部提出させるものとする。
イ 監督職員は、確認要求書の記入事項を調査及び確認の上、「変更事項に対する措置方法」欄へ指示事項等を明記し、主管課長の決裁を受けるものとする。
ウ 決裁後、確認要求書の1部は記名押印の上、受注者に送付するものとする。
エ 設計変更の事前協議を要するものは、事前協議の承認後、この処理を行うものとする。
オ 設計変更の事前協議に時間を要する場合又は設計を伴うなどの変更事項に対する措置方法の決定に時間を要する場合は、その旨を記載し、回答することとして、措置方法の決定後、契約書第18条第3項の規定に基づき工事の内容変更通知書(様式第3号)により指示を行うものとする。
(2) 契約書第19条の規定による設計変更の必要が生じた場合又は監督職員自らが契約書第18条第1項に掲げる事実を発見した場合の処理は、次によるものとする。
ア 監督職員は、工事の内容変更通知書(様式第3号)に所定の事項を記入の上、主管課長の決裁を受けるものとする。
イ 決裁後、受注者に対し通知書を2部送付して、変更の同意を求めるものとする。
ウ 受注者が変更に同意すれば、通知書に記名押印の上、1部提出させるものとする。
エ 設計変更の事前協議を要するものは、事前協議の上、この処理を行うものとする。
(3) 前2号に掲げる場合以外の変更内容が極めて軽微なものについては、従来どおり工事日誌への記入による指示等とするものとする。
(設計変更に伴う契約変更の手続)
第5条 設計変更に伴う変更契約の手続は、原則としてその必要が生じた都度遅滞なく行うものとする。
(設計変更に伴う措置)
第6条 設計変更を行う単価及び歩掛については、次のとおり設計変更の生じた時期や内容によって積算を行うものとする。
(1) 現地精査等に伴う数量の変更については、既契約の歩掛及び単価を使用すること。
(2) 構造、工法、位置、断面等の変更にあって、同工種又は類似工種の追加については、既契約の歩掛及び単価を使用すること。
(3) 構造、工法、位置、断面等の変更にあって、新工種の追加については、変更通知時点の歩掛及び単価を使用すること。
(4) 工事を追加する場合は、同工種、類似工種又は新工種ともに、変更通知時点の歩掛及び単価を使用すること。この場合において、「変更通知時点」とは、発注者と受注者の協議が調った日を、「工事の追加」とは、施工条件の変化又は発注者の意思による工事内容の追加であり、既契約内容に含まれていない新工種を追加する場合又は同工種若しくは類似工種であっても既契約工事範囲以外の箇所に工事を追加する場合等をいう。
(参考)設計変更の積算の組合せ
変更の内容 | 積算歩掛 | 積算単価 | |
変更の種別 | 工種内容 | ||
現地精査等に伴う数量変更 | 既設計の歩掛 | 既設計の単価 | |
構造、工法、位置、断面等の変更 | 同工種又は類似工種 | 既設計の歩掛 | 既設計の単価 |
新工種 | 変更通知時点の歩掛 | 変更通知時点の単価 | |
工事の追加 | 同工種又は類似工種、新工種 | 変更通知時点の歩掛 | 変更通知時点の単価 |
(設計変更の処理方法)
第7条 設計変更に伴う金入り変更設計書は、次のとおり作成するものとする。
(1) 変更設計の対照を行う場合においては、次により上下二段書きで対照すること。
ア 変更設計の事項は下段に記載し、対照する元設計事項は当該欄の上段に記載する。
イ 変更設計に新たな事項を加えた場合の上段への記載は空白とする。
ウ 変更で既計上の事項が無くなるときは、下段に「0」を記載し、上段には元設計事項を記載する。
エ 変更の無い事項は、元設計事項を上下段に記載する。
(2) 変更後の工事価格の算出については、高知県土木工事標準積算基準書によること。
(3) 協議の対象として算出した変更請負金額となるべき額に1円未満の金額が生じた場合は、その端数は切り捨てた額で契約すること。
2 請負代金の部分払をする場合において、設計の変更をしなければ支払ができない工事については、変更を必要とする部分のうち、支払に支障のない限度(間接的に影響する部分は考慮しない。)の変更を行うことにより、支払の迅速化を期するものとする。
3 前項以外の変更(最終変更を含む。)については、請負代金の部分払のための設計変更、出来高検査調書、設計変更事前協議書等の以前の変更記録及び現場の状態を十分考慮して慎重に行うものとする。
附則
この訓令は、公表の日から施行する。
附則(令和4年3月25日訓令第3号)
この訓令は、令和4年4月1日から施行する。