○香南市職員倫理規程
令和4年1月13日
訓令第1号
(目的)
第1条 この訓令は、職員が市民全体の奉仕者であってその職務は市民から負託された公務であることに鑑み、職員の職務に係る倫理の保持に資するため必要な措置を講ずることにより、職務の執行の公正さに対する市民の疑惑や不信を招くような不正行為等の防止を図り、もって公務に対する市民の信頼を確保することを目的とする。
(1) 職員 地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第3条第2項に規定する一般職に属する職員、法第22条の2第1項に規定する会計年度任用職員及び法第22条の3の規定による臨時的任用職員をいう。
(2) 任命権者 法第6条第1項に規定する任命権者(同条第2項の規定により任命権者の権限の一部を委任された者を含む。)をいう。
(3) 事業者等 法人その他の団体及び事業を行う個人(当該事業の利益のための行為を行う個人に限る。)をいう。
ア 許認可等(行政手続法(平成5年法律第88号)第2条第3号に規定する許認可等及び香南市行政手続条例(平成18年香南市条例第11号。以下この項において「行政手続条例」という。)第2条第4号に規定する許認可等をいう。)をする事務 当該許認可等を受けて事業を行っている事業者等、当該許認可等の申請をしている事業者等又は個人(次項の規定により事業者等とみなされる者を除く。以下この項において「特定個人」という。)及び当該許認可等の申請をしようとしていることが明らかである事業者等又は特定個人
イ 補助金等(香南市補助金交付規則(平成18年香南市規則第45号)第2条第3号に規定する補助金及び負担金並びに利子補給金その他相当の反対給付を受けない給付金をいう。以下この号において同じ。)を交付する事務 当該補助金等(市以外の者が相当の反対給付を受けないで交付する給付金で、当該補助金等を直接にその財源の全部又は一部とし、かつ、当該補助金等の交付の目的に従って交付するものを含む。)の交付を受けて当該交付の対象となる事務又は事業を行っている事業者等又は特定個人、当該補助金等の交付の申請をしている事業者等又は特定個人及び当該補助金等の交付の申請をしようとしていることが明らかである事業者等又は特定個人
ウ 立入検査又は監査(法令(行政手続条例第2条第1号に規定する法令をいう。第3条第3項において同じ。)の規定に基づき行われるものに限る。以下この号において「検査等」という。)をする事務 当該検査等を受ける事業者等又は特定個人
エ 不利益処分(行政手続法第2条第4号に規定する不利益処分及び行政手続条例第2条第5号に規定する不利益処分をいう。)をする事務 当該不利益処分をしようとする場合における当該不利益処分の名宛人となるべき事業者等又は特定個人
オ 行政指導(行政手続法第2条第6号に規定する行政指導及び行政手続条例第2条第8号に規定する行政指導をいう。)をする事務 当該行政指導により現に一定の作為又は不作為を求められている事業者等又は特定個人
キ 地方自治法第234条第1項に規定する契約に関する事務 当該契約を締結している事業者等、当該契約の申込みをしている事業者等及び当該契約の申込みをしようとしていることが明らかである事業者等
3 職員に異動があった場合において、当該異動前の職に係る当該職員の利害関係者であった者が、異動後引き続き当該職に係る他の職員の利害関係者であるときは、当該利害関係者であった者は、当該異動の日から起算して3年間(当該期間内に、当該利害関係者であった者が当該職に係る他の職員の利害関係者でなくなったときは、その日までの間)は、当該異動があった職員の利害関係者であるものとみなす。
4 他の職員の利害関係者が、職員をしてその職に基づく影響力を当該他の職員に行使させることにより自己の利益を図るためその職員と接触していることが明らかな場合においては、当該他の職員の利害関係者は、その職員の利害関係者でもあるものとみなす。
(職員が遵守すべき職務に係る倫理原則)
第3条 職員は、市民全体の奉仕者であり、市民の一部に対してのみの奉仕者ではないことを自覚し、職務上知り得た情報について市民の一部に対してのみ有利な取扱いをする等市民に対し不当な差別的取扱いをしてはならず、常に公正な職務の執行に当たらなければならない。
2 職員は、常に公私の別を明らかにし、いやしくもその職務又は地位を自らや自らの属する組織のための私的利益のために用いてはならない。
3 職員は、法令を遵守するとともに、法令により与えられた権限の行使に当たっては、当該権限の行使の対象となる者からの金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は供応接待を受けること等の市民の疑惑や不信を招くような行為をしてはならない。
4 職員は、不当要求行為等(香南市不当要求行為等への対策に関する要綱(平成18年香南市訓令第4号)第2条に規定する不当要求行為等をいう。)には一切応ずることなくこれを拒否し、公正な職務の遂行に当たらなければならない。
5 職員は、市の保有する個人情報をはじめとする行政情報の適正な取扱いに努めなければならない。
(倫理行動規準)
第4条 職員は、前条に規定する倫理原則とともに、次に掲げる事項をその職務に係る倫理の保持を図るために遵守すべき規準として、行動しなければならない。
(1) 職員は、職務の遂行に当たっては、公共の利益の増進を目指し、全力を挙げてこれに取り組まなければならないこと。
(2) 職員は、勤務時間外においても、自らの行動が公務の信用に影響を与えることを常に認識して行動しなければならないこと。
(3) 職員は、市政が市民から納付された税その他の貴重な財源で運営されていることに留意し、公金の支出に関する諸規程を遵守するとともに、適正かつ効率的に事務を執行しなければならないこと。
(禁止行為)
第5条 職員は、次に掲げる行為を行ってはならない。
(1) 利害関係者から金銭、物品又は不動産の贈与を受けること。
(2) 利害関係者から金銭の貸付け(業として行われる金銭の貸付けにあっては、無利子のもの又は利子の利率が著しく低いものに限る。)を受けること。
(3) 利害関係者から又は利害関係者の負担により、無償で物品又は不動産の貸付けを受けること。
(4) 利害関係者から又は利害関係者の負担により、無償で役務の提供を受けること。
(5) 利害関係者から未公開株式(金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第16項に規定する金融商品取引所に上場されておらず、かつ、同法第67条の11第1項の店頭売買有価証券登録原簿に登録されていない株式をいう。)を譲り受けること。
(6) 利害関係者から供応接待を受けること。
(7) 利害関係者とともに飲食をすること。
(8) 利害関係者とともに遊技又はゴルフをすること。
(9) 利害関係者とともに旅行(公務のための旅行を除く。)をすること。
(10) 利害関係者から私的利益のために有利な情報の提供を受けること。
(11) 利害関係者を保証人とする金銭の借入れ、不動産の賃借等を行うこと。
(12) 利害関係者をして、第三者に対し前各号に掲げる行為をさせること。
2 前項の規定にかかわらず、職員は、次に掲げる行為を行うことができる。
(1) 利害関係者から次に掲げるものの贈与を受けること。
ア 職員自らが主催若しくはこれに準ずる冠婚葬祭その他の社会慣習上行われる慶事又は弔事において受領する通常一般の社交の範囲内の祝儀、香典又は供花
イ 広く一般に配布するための宣伝用物品又は記念品
ウ 多数の者が出席する式典、総会その他の催物(これに引き続き行われる懇談会を含む。第6号において「式典等」という。)において贈呈される記念品
(2) 職務として利害関係者を訪問した際に、当該利害関係者から提供される物品を使用すること。
(3) 職務として利害関係者を訪問した際に、当該利害関係者から提供される自動車(当該利害関係者がその業務等において日常的に利用しているものに限る。)を利用すること。ただし、当該利害関係者の事務所等の周囲の交通事情その他の事情から当該自動車の利用が相当と認められる場合に限る。
(4) 職務として出席した会議その他の会合において、利害関係者から茶菓の提供を受けること。
(5) 職務として出席した会議において、利害関係者から簡素な飲食物の提供を受け、又は利害関係者とともに簡素な飲食をすること。
(6) 多数の者が出席する式典等において、利害関係者から飲食物の提供を受け、又は利害関係者とともに飲食をすること。
(利害関係者以外の者等との間における禁止行為)
第7条 職員は、利害関係者に該当しない事業者等であっても、その者から供応接待を繰り返し受ける等社会通念上相当と認められる程度を超えて供応接待又は財産上の利益の供与を受けてはならない。
2 職員は、自己が行った物品若しくは不動産の購入若しくは借受け又は役務の受領の対価を、その者が利害関係者であるかどうかにかかわらず、それらの行為が行われた場に居合わせなかった事業者等にその者の負担として支払わせてはならない。
(講演等に関する規制)
第8条 職員は、利害関係者からの依頼に応じて報酬を受けて、講演、討論、講習若しくは研修における指導若しくは知識の教授、著述、監修、編さん又はラジオ放送若しくはテレビジョン放送の放送番組への出演(法第38条第1項の許可を得てするものを除く。以下「講演等」という。)をしようとする場合は、あらかじめ第13条第1項の倫理監督員の承認を得なければならない。
(贈与等の報告)
第9条 職員は、事業者等から、金銭、物品その他の財産上の利益の供与若しくは供応接待(以下「贈与等」という。)を受けたとき、又は事業者等と職員の職務との関係に基づいて提供する人的役務に対する報酬として次に掲げる報酬の支払を受けたとき(当該贈与等により受けた利益又は当該支払を受けた報酬の価額が1件につき5,000円を超える場合に限る。)は、1月から3月まで、4月から6月まで、7月から9月まで及び10月から12月までの各区分による期間(以下この条において「四半期」という。)ごとに、贈与等報告書(別記様式)を、当該四半期の翌四半期の初日から14日以内に、任命権者に提出しなければならない。
(1) 利害関係者に該当する事業者等から支払を受けた講演等の報酬
(2) 利害関係者に該当しない事業者等から支払を受けた講演等の報酬のうち、職員の現在又は過去の職務に関係する事項に関する講演等の報酬
(職員倫理委員会)
第10条 市における公務員倫理の確立及び服務規律の徹底を図り、公正な職務の遂行を確保するため、香南市職員倫理委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会は、委員長、副委員長及び委員をもって組織する。
3 委員長は、副市長をもって充てる。
4 副委員長は、教育長をもって充てる。
5 委員は、総務課長、職員組合代表2人及び委員長が指定する者3人以内とする。
6 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。
7 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故があるとき、又は委員長が欠けたときは、その職務を代理する。
8 委員会の庶務は、総務課において処理する。
(調査)
第11条 任命権者は、職員にこの訓令に違反する行為を行った疑いがあるときは、委員会にその旨を通知し、当該行為に関し調査を行わせるものとする。
2 前項の調査について報告を受けたときは、任命権者(市長である任命権者を除く。)は、その結果を市長に報告するものとする。
(違反行為に対する措置)
第12条 任命権者は、前条第1項に規定する調査の結果、職員にこの訓令に違反する行為があったと認められる場合においては、その調査結果に応じて、法第29条第1項の規定に基づく人事管理上の懲戒処分又は訓告その他必要な措置を講ずるものとする。
(倫理監督員)
第13条 職員の職務に係る倫理の保持を図るため、倫理監督員を置く。
2 倫理監督員は、総務課長をもって充てる。
(倫理監督員の責務)
第15条 倫理監督員は、この訓令に定める事項の実施に関し、次に掲げる責務を有する。
(1) 職員からの前条の規定による相談に応じ、必要な指導及び助言を行うこと。
(2) 職員が特定の者と市民の疑惑や不信を招くような関係を持つことがないかどうかの確認に努め、その結果に基づき、職員の職務に係る倫理の保持に関し、必要な指導及び助言を行うこと。
(3) 任命権者を助け、職員の職務に係る倫理の保持のための体制の整備を行うこと。
(4) この訓令に違反する行為があった場合に、その旨を任命権者に報告すること。
(任命権者の責務)
第16条 任命権者は、職員の職務に係る行為が市民の疑惑や不信を招くことがないよう、常に注意を喚起するとともに、研修その他の必要な措置を講ずるものとする。
(その他)
第17条 この訓令に定めるもののほか、この訓令の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附則
この訓令は、公表の日から施行する。