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移住者の声No.15 飯島 信也さん・敦子さん : 前編

更新日:2022年09月21日

自分たちの「心地よい」を道しるべに、家族で創作活動中。

飯島信也さん・敦子さん

出身地:茨城・高知

移住年:2018年

 

地域おこし協力隊を卒業後、香南市に住み続けながらグラフィックデザイナー/イラストレーターとして地域に根付いたお仕事をされている飯島信也さんと、日記作家の敦子さんご夫妻。

盛りだくさんな内容のため、2回に分けてお届けします!

 

前編は移住のきっかけや移住後のお仕事までのお話を伺いました。

移住への第一歩:「ふるさとワーキングホリデー」

信也さん:出身は茨城県で、東京のデザイン専門学校卒業後、東京のデザイン事務所に就職しました。転職も経験しましたが、忙しさから体調を崩し退職。療養しながらフリーランスで仕事を受けていました。プライベートでは東京から鎌倉へ拠点を移し、フリーランスのお仕事と並行して就労継続支援B型事業所で障害のある方々へ絵を描く楽しさを伝える仕事もしていました。

 

敦子さん:私も同じデザイン事務所でコピーライターとして働いていました。その後は転職していろいろなお仕事をしつつ、鎌倉に一緒に転居し2011年に結婚しました。

 

信也さん:移住を考え始めた一つのきっかけとなったのは、東日本大震災ですね。その後2015年に娘が生まれて自分たちの暮らしを見つめなおす中で、もう少し安心して暮らせるところで子育てをしたいという思いが強くなりました。

 

敦子さん:都会の空気がしんどくなってきたというのもありました。鎌倉は自然豊かで人もいい人が多く、大好きな場所です。一方で「東京の風が吹いている」とも感じていました。

 

信也さん:移住へ向けての第一歩として、「ふるさとワーキングホリデー」の説明会に参加してみました。妻が高知市出身なので高知県のブースに立ち寄った際、高知市の土佐山というところでデザインやイベント業務に関するお仕事があると知り、まずは一か月土佐山へ行ってみることにしました。

出身地でのカルチャーショック

信也さん:土佐山で借りた古民家はもともと地域の小さな商店だった場所ですが、人が住まなくなってしばらく経っていたのと、山の中にあったので、とてもワイルドな暮らしでした(笑)。妻は高知市出身で、土佐山も同じ高知市だけど、カルチャーショックだったと思います。

 

敦子さん:そうですね(笑)。見たことないような虫が出てきたり、トイレは汲み取り式で当時2歳だった娘は怖くて使えず、おまるを調達して対処したり…とても素敵なところだけどなかなかハードだったので、正直1か月のワーキングホリデーが終わったときはほっとしました。

 

信也さん:僕は土佐山の暮らしも気に入ってたんですけどね(笑)。

敦子さん:だけど高知で暮らすことには、心地よさを感じました。なんといっても一人あたりの面積が広い!この道を通っているのは私たちだけ、というようなシチュエーションが当たり前で、本当にのびのびとした気持ちになれました。また、出身県であるにも関わらず、田舎のいろいろなことがもの珍しくて、おもしろくて。近くの方から長ーいりゅうきゅう(はすいも)をいただいたり、初めてあけびの実を食べたり。地域の方が総出で行う草刈りに参加したのも新鮮でした。

香南市に注目するきっかけは、土佐山滞在中に久しぶりに会った同級生でした。その同級生が当時香南市役所の職員だったので、その繋がりで山北みかんの農家さんもたまたま紹介してもらいました。

 

信也さん:その後みかん畑にも行かせてもらって、娘がみかん畑を走り回ったりみかんを食べたりしている風景を見て、何かが合致したんです。こういうところで子育てできたらいいなと。そのとき妻の同級生の方から、六次産業化のミッションで地域おこし協力隊の募集があると声をかけていただいたんです。その後一旦鎌倉に戻り、約5か月後の2018年3月に香南市へ移住しました。

移住後の生活

信也さん:僕は協力隊のミッションが特産品の六次産業化だったので、まず特産品の山北みかんがどのように作られているかを知ることから始めました。農家さんがみかんに真剣に向き合って働く姿や、立地や土地のことを知り、美味しいみかんができるのには理由があるんだと思いました。協力隊の任期中には、協力隊のロゴや山北みかんジュースのパッケージデザインなどを担当しました。

農家さんとも知り合う機会が多かったのですが、平日でもお構いなしで飲み会があるんですね!高知の人はおきゃく(土佐弁で宴会のこと)が大好きで。僕もみんなについていこうと思って全力で飲んだら、次の日大変な思いをしたことも多々あって…高知のすごさを知りました(笑)。

協力隊卒業後は主に物部エリア(香南市、南国市、香美市)の企業からお仕事をいただいて、イラストやパッケージデザインなどの仕事をしています。

都会で仕事をしていたときに比べ、クライアントとの距離、デザインを使用する場所との距離が近くなったのが良いと感じています。

飯島信也さんHP http://shinya-iijima.jimdosite.com/

敦子さん:私は東京にいるときにデハラユキノリさん(高知県出身フィギュアイラストレーター)のアシスタントをしていた時期があったのですが、デハラさんが高知にも拠点を作るのと私が高知に来た時期が重なって、再びアシスタントを始めて今も続けています。デハラさんがRKC高知放送でラジオ番組を持っているので、東京時代にはなかった「ラジオのアシスタント」という業務も増えて、おもしろいです。

 

信也さん&敦子さん:お家は移住当初は一般の不動産屋さんを介して野市町に一軒家を借りていました。ただ、理想の家のイメージは具体的に持っていて、それと合致する家が空き家バンクで出てきたので、空き家バンク制度を利用して今の家に引越しました。畑もついているので、畑仕事も楽しめています。ご近所さんも本当に良くしてくださり、農作物をいただくことも多いので、季節の手仕事を楽しんだりもしています。

 

信也さん:僕はとにかく食べ物がおいしいことも移住して良かったと思う瞬間です。もともと良いものを食べたいという意識はありましたが、高知は普通のスーパーにも地場産のものが当たり前にある。娘は産直市に売っているパイナップルは大好きなのですが、先日回転ずしで外国産のパイナップルを食べたら「口がイガイガして痛い」と言っていました(笑)。

香南市は海もあるので、海産物も地元で揚がったものが食べられます。お気に入りは産直市で売られている「かちり」(しらすよりもさらに干したちりめんじゃこ)です。塩加減が絶妙で、しかも安い!

近くでとれた新鮮な食べ物が手に入るのは「高知にきてよかったこと」のかなり上位に入りますね。

後編へ続きます。

 

 

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