○香南市火災調査規程

平成18年3月1日

告示第55号

(趣旨)

第1条 この告示は、消防法(昭和23年法律第186号)第7章の規定に基づく火災の調査(以下「調査」という。)について、必要な事項を定めるものとする。

(調査の目的)

第2条 調査は、火災の原因及び火災により受けた損害を明らかにして火災予防対策及び警防対策に必要な基礎資料を得ることを目的とする。

(定義)

第3条 この告示において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 火災 人の意図に反して発生し、若しくは拡大し、又は放火により発生して消火の必要のある燃焼現象であって、これを消火するために消火施設又はこれと同程度の効果のあるものの利用を必要とするもの、又は人の意図に反して発生し、若しくは拡大した爆発現象(化学的変化による爆発の一つの形態であり、急速に進行する化学反応によって多量のガスと熱とを発生し、爆鳴、火災及び破壊作用を伴う現象をいう。第8号において同じ。)をいう。

(2) 建物火災 建物(土地に定着する工作物のうち屋根及び柱若しくは壁を有するもの、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物に設けた事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設をいい、貯蔵槽その他これに類する施設を除く。)又はその収容物(原則として柱、壁等の区画の中心線で囲まれた部分に収容されている物をいう。)が焼損した火災をいう。

(3) 林野火災 森林(木竹が集団して生育している土地及びその土地の上にある立木竹と、これらの土地以外で木竹の集団的な生育に供される土地をいい、主として農地又は住宅地若しくはこれに準ずる土地として使用される土地及びこれらの上にある立木竹を除く。)、原野(雑草、かん木類が自然に生育している土地で人が利用しないものをいう。)又は牧野(主として家畜の放牧又は家畜の飼料若しくは敷料の採取の目的に供される土地(耕地の目的に供される土地を除く。)をいう。)が焼損した火災をいう。

(4) 車両火災 自動車車両(鉄道車両以外の車両で、原動機によって運行することができる車両をいう。)、鉄道車両(鉄道事業法(昭和61年法律第92号)における旅客若しくは貨物の運送を行うための車両又はこれに類する車両をいう。)及び被けん引車又はこれらの積載物が焼損した火災をいう。

(5) 船舶火災 船舶(独行機能を有する帆船、汽船及び端舟並びに独行機能を有しない住居船、倉庫船、はしけ等をいう。)又はその積載物が焼損した火災をいう。

(6) 航空機火災 航空機(人が乗って航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船等の機器をいう。)又はその積載物が焼損した火災をいう。

(7) その他の火災 第2号から前号までに掲げる火災以外の火災(空地、田畑、道路、河川敷、ごみ集積場、屋外物品集積場、軌道敷、電柱類等の火災をいう。)をいう。

(8) 爆発 人の意図に反して発生し、又は拡大した爆発現象をいう。

(9) 発火源 出火に直接関係し、又はそれ自体から出火したものをいう。

(10) 経過 出火に関係した現象、状態又は行為をいう。

(11) 着火物 延焼拡大に至る最初の燃焼物で消火の必要が認められるものをいう。

(調査の区分)

第4条 調査は、火災原因調査及び火災損害調査に区分する。

2 火災原因調査は、次に掲げる事項を究明するために行うものとする。

(1) 出火前の状況

(2) 出火原因

(3) 延焼拡大の状況

(4) 初期消火等の状況

(5) 避難の状況

(6) 消防用設備等の状況

(7) 死傷者の状況

(8) その他必要な事項

3 火災損害調査は、次に掲げる事項を明らかにするために行うものとする。

(1) 焼き損害

(2) 消火損害

(3) 爆発損害

(4) 火災による死傷者

(調査責任)

第5条 消防長は、管轄区域内の調査の責任を有する。

2 消防長は、通行中の車両又は航行中の船舶の火災については火災防御した場所が、航空機火災については墜落場所が管轄区域内である場合は、調査の責任を有する。

(体制の確立)

第6条 消防長は、調査に必要な人員及び調査用器材を整備し調査体制を確立しておかなければならない。

2 消防長は、火災の形態により調査を機動的かつ効果的に実施するため、特に必要があると認められるときは、調査本部を設置することができる。

3 前項の調査本部の組織、編成等についての必要な事項は、別に定める。

(調査の実施)

第7条 消防長は、管轄区域内に火災を覚知したときは、直ちに調査に着手しなければならない。

2 消防長は、調査員を指定して調査に従事させるものとする。

3 消防長は、必要があるときは前項の調査員以外の職員を調査に協力させ、又は従事させるものとする。

(調査員の心得)

第8条 調査員は、火災現象、関係法令等調査に必要な知識の習得及び調査技術の向上に努めるとともに、次の事項を遵守しなければならない。

(1) 調査員相互の連絡を図り、調査業務の進行が円滑になるように努めること。

(2) 調査に際し関係者の民事的紛争に関与しないように努めるとともに、個人の自由、権利を不当に侵害したり、調査上知り得た秘密をみだりに他に漏らさないこと。

(3) 関係のある場所へ立ち入るときは、原則として関係者の立会いを得ること。

(4) 警察機関その他の関係機関とは密接な連絡をとり相互に協力して調査を進めること。

(調査の原則)

第9条 調査は、事実の確認を主眼として、先入観念にとらわれることなく科学的な方法による確認と合理的な判断の上に立ち事実の立証に努めなければならない。

(火災現場の見分)

第10条 消防隊員及び調査員は、火災現場に出向いたとき、及び消火活動中における火煙の色、臭い、燃焼音、延焼経路、その他関係者の言動等を見分したときは、現場指揮者に報告しなければならない。

2 調査員は、火災現場を見分し、火災原因の判定に必要な資料の収集に努めなければならない。この場合において、原則として関係者の立会いのもとに行う。

3 火災状況の見分は、その内容を明確にするため、写真により記録するよう努めなければならない。

4 調査員は、実況見分、関係者に対する質問等による事実等に基づき現場の復元を行うよう努めなければならない。

(現場の保存)

第11条 消防長は、消火活動が終了したときは、所要の措置を講じた上で現場を保存しなければならない。ただし、調査上その必要がないと認めたときは、この限りでない。

(死者が生じている場合の扱い)

第12条 消防長は、火災現場において死者を発見した場合は、所轄警察署長に通報するとともに、必要な措置を講じなければならない。

(質問)

第13条 調査員は、関係者に質問し、原因の判定の資料となる事実の把握に努めなければならない。

2 調査員は、前項の規定により知り得た事実のうち、原因の判定に必要と認められる内容については、質問調書にその内容を記録しなければならない。この場合において、記録した内容を当該関係者に読み聞かせるなどし、記載事項に誤りがないことを確認し、質問調書に署名を求めるものとする。

(照会)

第14条 消防長は、必要があるときは、関係機関に対し、火災調査関係事項照会書(様式第1号)により必要な事項の通報を求め、又は照会することができる。

(資料の収集及び保管)

第15条 消防長は、調査のために必要と認めるときは、関係のある者に対し、資料の任意提出を求め、関係者は、資料提出承諾書(様式第2号)により提出するものとする。

2 消防長は、特に必要である場合は、被災物件の関係者に対し、資料提出命令書(様式第3号)により資料の提出を、報告徴収書(様式第4号)により報告を命じることができる。この場合において、提出を依頼した資料のうち提出者が所有権を放棄しないものについては、鑑識・鑑定処分承諾書(様式第5号)により提出者の承諾を得ておかなければならない。

3 消防長は、資料の提出があった場合は、提出者に対し、資料保管書(様式第6号)を交付しなければならない。また、資料を保管する場合は、保管票(様式第7号)を付し、保管品台帳(様式第8号)に記録し、調査が完了するまで保管しなければならない。

4 消防長は、資料提出者が資料の返還を求めるときは、資料保管書と引換えに、当該資料を返還し、資料提出者は、資料返却確認書(様式第9号)を提出するものとする。

(鑑定)

第16条 消防長は、火災原因調査に必要があるときは、公的機関に鑑識・鑑定依頼書(様式第10号)により鑑定を依頼することができる。

(調査記録)

第17条 調査員は、調査結果を次に掲げる調査書類により消防長に報告しなければならない。

(1) 火災調査書(様式第11号)

(2) 火災原因判定書(様式第12号)

(3) 出火出場時における見分調書(様式第13号)

(4) 実況見分調書(様式第14号又は様式第14号の2)

(5) 質問調書(様式第15号)

(6) 防火管理等調査書(様式第16号)

(7) 損害調査書(様式第17号)

(8) その他火災原因の判定、損害額の認定の根拠となった資料等

2 前項の規定にかかわらず、火災の規模、被害程度が軽微なものにあっては、前項の調査書類又は資料の一部を省略することができる。

(原因の判定)

第18条 火災原因の判定は、火災の実況見分、質問、その他の関係資料等を総合的に検討し、判定するものとし、物的調査、人的調査による資料により裏付けるものとする。

(即報)

第19条 予防課長は、火災の状況についてその概況を消防長に即報しなければならない。

(報告)

第20条 予防課長は、調査書を作成したときは、消防長に調査を完了した旨を報告しなければならない。

(火災損害調査)

第21条 火災損害調査は、被災物件を詳細に調査し、損害の把握に努めなければならない。

2 損害額の算定基準は、火災報告取扱要領(平成6年消防災第100号)又は国土交通省が指標とする資料により算出することができる。

(震災時の調査体制)

第22条 香南市地域防災計画に基づき、地震により香南市災害対策本部が設置されている間に発生した火災の調査活動を行う調査員は、災害活動がおおむね終息するまでは、情報の収集及び火災状況の把握に努めるものとする。

(情報収集)

第23条 消防長は、地震の発生直後から、災害情報の記録及び調査のための情報の収集に努めなければならない。

(震災に伴う火災の指定)

第24条 消防長は、地震の発生直後から発生した火災について、火災の状況を勘案し、期間及び地域を限定し「震災に伴う火災」として指定することができる。

(震災に伴う火災に係る調査)

第25条 震災に伴う火災に係る調査については、第7条の規定にかかわらず、全調査員の相互応援により実施するものとする。

2 震災に伴う火災に係る調査については、次に掲げる事項に重点を置き実施するものとする。

(1) 地震の発生直後から災害活動がおおむね終息するまでの間は、情報収集及び火災状況の記録を主眼に行う。

(2) 災害活動の終息後は、被災証明書を発行するための火災損害調査を優先して実施する。

(3) 被災証明書を発行するための火災損害調査の終了後は、震災に伴う火災の調査記録を将来の行政施策に反映させるため、引き続き損害状況、出火原因、延焼拡大状況等について詳細な調査を実施する。

3 震災に伴う火災に係る調査については、第17条第1項の規定にかかわらず、同項の調査書類及び調査書類の記載事項の一部を省略することができる。

4 震災に伴う火災に係る調査に用いる実況見分調書は、様式第14号の2によるものとする。

(震災に伴う火災の調査記録)

第26条 震災に伴う火災のうち、次の各号に掲げる火災の区分に応じ、当該各号に定める調査等を行うものとする。

(1) 出火建物の判定が可能である火災 火災原因調査

(2) 出火建物の判定が不可能である火災 延焼拡大状況の確認及び火災損害調査

2 関係のある者及び地域住民等に対する質問は、震災聞き取り調査書(様式第18号)を用いることとする。この場合において、当該調査書をもって、質問調書及び聞き取り状況報告書に代えることができる。

(震災に伴う調査員の確保)

第27条 消防長は、震災後の行政対応を考慮し、震災に伴う調査に必要な調査員及び調査用資器材の確保に努めなければならない。

(書類の保存)

第28条 調査書は、香南市文書事務規程(平成18年香南市訓令第6号)に基づき、保存するものとする。

(その他)

第29条 この告示の運用に必要な事項は、別に定めるところによる。

この告示は、平成18年3月1日から施行する。

(平成19年3月27日告示第23号)

この告示は、平成19年4月1日から施行する。

(平成22年10月18日告示第58号)

この告示は、公表の日から施行する。

(平成28年3月24日告示第11号)

(施行期日)

1 この告示は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)の施行の日(平成28年4月1日)から施行する。

(経過措置)

2 この告示の施行の際、第1条の規定による改正前の香南市後援等名義使用承認に関する事務取扱要綱、第2条の規定による改正前の香南市市章使用承認に関する事務取扱要綱、第3条の規定による改正前の香南市住民基本台帳実態調査事務取扱要綱、第4条の規定による改正前の香南市非木造住宅耐震診断費補助金交付要綱、第5条の規定による改正前の香南市ブロック塀等耐震対策事業費補助金交付要綱、第7条の規定による改正前の香南市広告入り物品の寄附に関する要綱、第8条の規定による改正前の香南市国民健康保険一部負担金の減免及び徴収猶予の実施に関する取扱要綱、第9条の規定による改正前の香南市軽自動車税の課税取消しに関する要綱、第10条の規定による改正前の香南市有料広告の掲載に関する要綱、第11条の規定による改正前の香南市長杯事業の実施に関する事務取扱要綱、第12条の規定による改正前の香南市一時預かり事業実施要綱、第13条の規定による改正前の香南市子育て短期支援事業実施要綱、第14条の規定による改正前の香南市軽度生活援助事業実施要綱、第15条の規定による改正前の香南市高齢者日常生活用具給付等事業実施要綱、第16条の規定による改正前の香南市緊急通報体制整備事業実施要綱、第17条の規定による改正前の香南市成年後見制度利用支援事業助成金交付要綱、第18条の規定による改正前の香南市地域活動支援センター事業実施に関する要綱、第19条の規定による改正前の香南市日常生活用具給付等事業実施要綱、第20条の規定による改正前の香南市社会参加のための外出支援サービス事業実施要綱、第21条の規定による改正前の香南市障害者自動車運転免許取得・自動車改造助成事業実施要綱、第22条の規定による改正前の香南市医療機関送迎サービス事業実施要綱、第23条の規定による改正前の香南市難聴児補聴器購入費補助金交付要綱、第24条の規定による改正前の香南市重度障害児者短期入所利用促進事業費補助金交付要綱、第25条の規定による改正前の香南市重度障害児者ヘルパー利用支援事業費補助金交付要綱、第26条の規定による改正前の香南市多子軽減措置に伴う償還払いによる障害児通所給付費支給要綱、第27条の規定による改正前の香南市国民健康保険税滞納世帯に係る事務処理要綱、第28条の規定による改正前の香南市介護用品の支給事業実施要綱、第29条の規定による改正前の香南市障害者控除対象者認定事務の処理に関する要綱、第30条の規定による改正前の香南市介護予防事業実施要綱、第31条の規定による改正前の香南市介護保険短期入所サービス特例利用に関する事務取扱要領、第32条の規定による改正前の香南市食育キャラクター使用に関する取扱要綱、第33条の規定による改正前の香南工業団地企業立地促進事業費補助金交付要綱、第34条の規定による改正前の香南市新商品生産による新事業分野開拓者認定事業実施要綱、第36条の規定による改正前の香南市緊急融資保証料補給金交付要綱、第36条の規定による改正前の香南市浄化槽設置整備事業補助金交付要綱、第37条の規定による改正前の香南市浄化槽設置整備事業(市単独)補助金交付要綱、第38条の規定による改正前の香南市下水道用マンホールふたに係る製造工場の指定要綱、第39条の規定による改正前の香南市患者等搬送事業に対する指導及び認定に関する要綱及び第40条の規定による改正前の香南市火災調査規程に規定する様式による用紙で、現に残存するものは、当分の間、所要の修正を加え、なお使用することができる。

(平成29年3月3日告示第10号)

この告示は、公表の日から施行する。

(令和4年3月25日告示第17号)

この告示は、令和4年4月1日から施行する。

(令和5年8月8日告示第124号)

この告示は、令和5年9月1日から施行する。

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香南市火災調査規程

平成18年3月1日 告示第55号

(令和5年9月1日施行)

体系情報
第12編 防/第3章 火災予防
沿革情報
平成18年3月1日 告示第55号
平成19年3月27日 告示第23号
平成22年10月18日 告示第58号
平成28年3月24日 告示第11号
平成29年3月3日 告示第10号
令和4年3月25日 告示第17号
令和5年8月8日 告示第124号