○香南市外部の労働者等からの公益通報に関する要綱

平成31年1月15日

告示第2号

(目的)

第1条 この告示は、公益通報者保護法(平成16年法律第122号。以下「法」という。)の施行に伴い、外部の労働者等からの法令違反行為等に関する通報を適切に処理するため、通報処理に関する基本的事項を定めることにより、公益通報をする外部の労働者等の保護を図るとともに、事業者の法令遵守等を推進することを目的とする。

(定義)

第2条 この告示において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 外部の労働者等 次に掲げるものをいう。

 通報内容となる事実に関係する事業者に雇用されている労働者、当該事業者を派遣先とする派遣労働者及び当該事業者と契約関係にある事業者(以下「取引先事業者」という。)の労働者

 通報内容となる事実に関係する事業者及び取引先事業者の理事、取締役その他の役員

 取引先事業者

 からまでに規定する者であった者

 からまでに規定する者のほか、通報内容となる事実に関係する事業者の法令遵守等を確保する上で必要と認められる者

(2) 主管課 通報内容となる事実に関する事務を所掌する課等をいう。

(3) 受理 外部の労働者等からの通報について、調査又は法令等に基づく措置その他適当な措置を行う必要性があるものとして主管課が受け付けることをいう。

(通報・相談窓口)

第3条 外部の労働者等からの通報及び相談(以下「通報等」という。)を一元的に取り扱うため、総務課に通報・相談窓口を置き、通報等への対応に関する事務を総括するため、総括通報等責任者として総務課長をもって充てる。

2 通報・相談窓口は、次に掲げる事務を取り扱う。

(1) 通報等の受付に関すること。

(2) 通報等への対応についての意見又は苦情の受付に関すること。

(3) 通報者及び相談者(以下「通報者等」という。)との連絡調整に関すること。

(4) 他の行政機関が通報内容について処分又は勧告等をする権限を有する場合における他の行政機関に対する教示に関すること。

(5) 市が通報内容について処分又は勧告等をする権限を有する場合における主管課への通報等の移管に関すること。

(6) 主管課との連絡調整に関すること。

3 前項第4号の場合において、通報者等からの通報等に、個人の生命、身体、財産その他の利益に重大な影響を及ぼす可能性のある内容が含まれているときは、通報等に関する秘密保持に留意しつつ、個人情報の保護に関する法令等に従い、当該他の行政機関に当該内容について情報提供をすることができるものとする。

(受付の範囲及び取扱い)

第4条 外部の労働者等から受け付ける通報等に係る事実は、次の各号に掲げる事実とする。

(1) 法第2条第3項に規定する通報対象事実(以下「通報対象事実」という。)

(2) 前号に定めるもののほか、法令及び香南市の区域内に適用される条例、規則その他の規程に違反する行為に関する事実(当該違反行為について処分又は勧告等をする権限を有する行政機関がある場合に限る。)

(3) 前2号に定めるもののほか、事業者の法令遵守等の確保及び法令等の適正な執行のために必要と認められるその他の事実

2 市長は、通報等があったときは、誠実かつ公正に対応し、正当な理由なく通報等の受付又は受理を拒まないものとする。

3 前項の規定にかかわらず、市長は、通報内容が虚偽であることが明らかな場合、著しく不分明な場合、通報対象事実でないことが通報時において明らかな場合及び匿名による通報の場合には、当該通報等を受け付けないものとする。

(受付手続)

第5条 通報・相談窓口は、通報等を受け付けたときは、通報等に関する秘密保持及び個人情報の保護に留意し、必要な事項を外部通報受付票(様式第1号)により記録し、通報者等に確認するものとする。ただし、通報者等の同意が得られない場合その他確認に支障がある場合は、この限りでない。

2 通報・相談窓口は、通報等を受け付けたときは、次に掲げる事項を通報者等に説明するものとする。ただし、通報者等が説明を望まない場合その他やむを得ない理由がある場合は、この限りでない。

(1) 通報等に関する秘密は、保持されること。

(2) 個人情報は、保護されること。

(3) 通報受付後の手続に関すること。

3 前2項の場合において、書面、電子メール等、通報者等が通報等の到着を確認できない方法によって通報等がなされたときは、通報等を受領した旨を通報者等に対して遅滞なく通知するよう努めるものとする。

4 通報・相談窓口は、受け付けた通報等の内容を精査し、当該通報等に関する事実について処分又は勧告等をする権限を有する機関を判断し、必要な措置を行う。

5 前項に規定する措置は、通報等に関する事実について処分又は勧告等をする権限を有する機関が、次の各号に掲げる場合に応じ、当該各号に定めるとおりとする。

(1) 他の行政機関のとき 通報者等に他の行政機関を教示する。

(2) 所管課のとき 当該通報等の取扱いを所管課に移管する。

6 第3項第9条第3項及び第10条第2項に規定する通知、第5項及び第3条第2項第4号に規定する教示並びに第8条に規定する教示及び資料の提供については、第2項の規定を準用する。

(主管課における受付手続)

第6条 通報・相談窓口を経由せず、主管課が受け付けた通報等については、主管課において前条に規定する事務を行うものとする。この場合において、主管課は、受け付けた内容及び措置の状況等を適宜、通報・相談窓口に連絡するものとする。

(受理手続)

第7条 主管課は、移管された通報等について、調査又は措置を行う必要性について十分に検討し、これを受理するときはその旨(第4項の期間を設定した場合は、その期間を含む。)を、受理しないとき(情報提供として受け付けるときを含む。)はその旨及びその理由を、回答書(様式第2号)により通報者等に回答する。

2 主管課は、前項の規定により調査又は措置を行う必要性について検討するときは、当該通報内容に係る違法行為等が生じ、又は生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由(以下「真実相当性の要件」という。)が、当該通報内容を裏付ける内部資料、関係者による供述等の存在のみならず、通報者本人による供述内容の具体性、迫真性等によっても認められ得ることを十分に踏まえ、柔軟かつ適切に対応するものとする。

3 前項に規定する場合において、主管課は、通報が真実相当性の要件を満たしているかどうかが直ちに明らかでないときにおいても、個人の生命、身体、財産その他の利益に重大な影響を及ぼす可能性が認められるときは、同様に対応するものとする。

4 主管課は、当該通報を受理するときは、当該通報への対応手続の終了までに必要と見込まれる期間を設定するよう努めるものとする。

(受理後の教示)

第8条 主管課は、通報等を受理した後、他の行政機関が処分又は勧告等をする権限を有することが明らかになった場合は、通報者に対して、当該権限を有する他の行政機関を遅滞なく教示しなければならない。この場合において、適切な法執行の確保及び利害関係人の営業秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がない範囲において、主管課が作成した当該通報等に係る資料を通報者等に提供するものとする。

2 主管課は、前項前段の場合において、当該通報等に、個人の生命、身体、財産その他の利益に重大な影響を及ぼす可能性のある内容が含まれているときは、通報等に関する秘密保持に留意しつつ、個人情報の保護に関する法令等に従い、他の行政機関に当該通報等の情報を提供することができるものとする。

(調査の実施)

第9条 主管課は、当該通報等に関する秘密を保持するとともに、個人情報を保護するため、通報者が調査の対象となる事業者及びその関係者に特定されないよう十分に留意しつつ、速やかに必要かつ相当と認められる方法で調査を行うものとする。

2 総括通報等責任者は、調査の方法、内容等の適正性を確保するとともに、調査の適切な進捗を図るため、調査について適宜確認を行う等の方法により、通報事案を適切に管理しなければならない。

3 主管課は、適切な法執行の確保及び利害関係人の営業秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がない範囲において、通報者等に対し、調査の進捗状況及び調査結果を適宜通知するものとする。

(調査結果に基づく措置)

第10条 主管課は、調査の結果、第4条第1項に掲げる事実があると認める場合には、法令等に基づく措置その他適当な措置をとらなければならない。

2 主管課は、前項の措置をとったときは、その内容を、適切な法執行の確保及び利害関係人の営業秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がない範囲において、通報者に対し通知するものとする。

(協力義務等)

第11条 市は、通報対象事実又はその他の法令等に違反する事実に関し、処分又は勧告等をする権限を有する行政機関が本市のほかにもある場合には、当該他の行政機関と連携して調査を行い、必要な措置を行う。

(秘密保持及び個人情報保護の徹底)

第12条 通報等への対応に関与した職員(通報等への対応に付随する職務等を通じて、通報等に関する情報を知り得た者を含む。以下同じ。)は、通報等に関して知り得た情報を不当な目的に利用し、又は漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

2 通報等への対応に関与する職員は、通報等に関する秘密保持及び個人情報保護の徹底を図るため、通報等への対応に関して、次に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1) 情報を共有する範囲及び共有する情報の範囲を必要最小限に限定すること。

(2) 通報者等の特定につながり得る情報(通報者等の氏名、所属等の個人情報のほか、調査が通報を端緒としたものであること、通報者等しか知り得ない情報等を含む。以下同じ。)については、調査等の対象となる事業者及びその関係者に対して開示しないこと(通報対応を適切に行う上で真に必要な最小限の情報を、次号に規定する同意を取得して開示する場合を除く。)

(3) 通報者等の特定につながり得る情報を、情報共有が許される範囲外に開示する場合には、通報者等の書面、電子メール等による明示の同意を取得すること。

(4) 前号に規定する同意を取得する際には、開示する目的及び情報の範囲並びに当該情報を開示することによって生じ得る不利益について、通報者等に対して明確に説明すること。

(利益相反関係の排除)

第13条 職員は、自ら又はその親族が当事者となっている案件に関する通報その他利益相反関係を有する案件についての通報等への対応に関与してはならない。

2 主管課は、通報等への対応において、通報等への対応に関与する者が当該通報に利益相反関係を有していないか確認するものとする。

(通報者等の保護)

第14条 市長は、第12条の規定に正当な理由なく違反した職員に対しては、懲戒処分その他の適切な措置をとるものとする。

2 市長は、通報対応の終了後においても、通報者からの相談等に適切に対応するとともに、通報者等が、通報等をしたことを理由として、事業者から解雇その他不利益な取扱いを受けていることが明らかになった場合には、厚生労働省、消費者庁及び各都道府県労働局等を紹介するなど、通報者等の保護に係る必要な措置を行うよう努めるものとする。

(意見又は苦情への対応)

第15条 通報・相談窓口は、通報等への対応に関して通報者等から意見又は苦情の申出を受けたときは、迅速かつ適切に対応するよう努めるものとする。

2 前項の申出の内容が、通報等に関する秘密及び個人情報の漏えい、通報に関する調査及び措置の遅滞、不適切な調査の実施その他の不適切な対応に関するものである場合には、通報・相談窓口は、総括通報等責任者に報告するものとする。

3 通報を受けた総括通報等責任者は、通報・相談窓口及び当該通報等を取り扱う主管課における対応状況を確認し、是正し、及びその結果を通報・相談等窓口から通報者等に通知させるものとする。

(通報等の関連文書の管理)

第16条 通報等への対応に係る記録及び関係資料については、香南市文書管理保存規程(平成18年香南市訓令第7号)等に基づき適切な方法で管理しなければならない。

(通報への適切な対応の推進に関する事務)

第17条 総括通報等責任者は、通報等への適切な対応を推進するため、通報等への対応に関する規程等を整備するほか、職員に対して定期的な研修及び説明会の実施その他適切な方法により、通報等への対応を十分に周知するものとする。

(事業者及び労働者等への周知)

第18条 市長は、市内の事業者及び労働者等に対する広報の実施、説明会の開催その他適切な方法により、法及び市の対応等について、周知するよう努める。

(香南市における通報対応の評価及び改善)

第19条 通報等への対応状況についての透明性を高めるとともに、客観的な評価を行うことを可能とするため、市長は、通報等の対応状況に関して、通報に関する秘密保持及び個人情報の保護並びに適切な法執行の確保及び利害関係人の営業秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障が生じない事項を、各年度の終了後に公表する。

(他の法令等との関係)

第20条 この告示で定める通報等への対応手続については、他の法令に特別の定めがある場合を除くほか、この告示の定めるところによる。

この告示は、平成31年4月1日から施行する。

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香南市外部の労働者等からの公益通報に関する要綱

平成31年1月15日 告示第2号

(平成31年4月1日施行)