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対談Vol.1 移住者×地元人

更新日:2022年03月31日

Vol.1 対談 移住者×地元人 【山口貴子さん×岡本八重子さん】

ふたりのなれそめ

市街地から北へ約9キロの山間地域にある香我美町西川(中部地区)。高知県で有数の「山北みかん」の産地で、ひっそりたたずむ集落にはみかんやゆず畑が広がります。

県内各地で住居を探していた山口さんは、この集落で出会った古民家に一目惚れ。すぐに移住を決意しました。一方、近くを見渡せば隣近所が100m先。たった3軒しかないご近所さんの一人が岡本さんです。

自ら積極的に地域に溶け込もうとする山口さんを、優しく当たり前のように受け入れる岡本さん。困っているときに助け合えるこの集落で、山口さんは今日も新しいことに挑戦し続けています。

築130年の家と三羽のニワトリに餌をあげている女性の画像
一人の女性がみかん畑で栽培している画像

移住のきっかけは

(山口)移住前は高松で、生まれは高知市。育ちは長崎です。出身と聞かれたら高知です。やっぱり、高知愛があるからかな。
幼少のころに過ごしたのは高知で、小6で父の実家の長崎に引っ越して、社会人までずっと長崎ですね。旦那さんの転勤で、長崎のあと大阪、神奈川、香川です。

(岡本)ずーっと西川で、この山の上のところに嫁に行ってまた旦那と戻ってきたの。

岡本さんは普段何をされているんですか

(岡本)私?主婦。

(山口)主婦のくくりでは納まらない…バイタリティが…

(岡本)母の介護、いとこの見守り、おじさんの見守り。血がつながっちゅうき、しゃあないなぁ。

西川ってどんなところ

(岡本)ここは西川の中部、家は22軒ばぁのもんやない?そんなかに小部落があって、5軒ばぁで回覧を回しゆう。町内会としては中部になるかな。ここの4軒は特につながりが深い。ぎっちり(注釈1)見張られゆうみたいな。そこの道通らんと出れんという。貴ちゃんは嫁みたいな感じ。

(山口)ほんまやね。

(岡本)音がよう聞こえるがって。車が通ったら貴ちゃん帰ってきたかなとか、薄明かりになったら貴ちゃんおるがやとかわかる。
真っ暗やったらまだ帰ってきてないんやとか、もう寝たろうかとか…

(山口)翌朝にあんたおそうまで起きちょったねとか言われます。

(岡本)田舎ってこういうプレッシャーに耐えれる人やないといかんね。やっぱり移住者は何をしても注目の的で、ここだけじゃなく、どこでも大変やろうなって。でも、裏でぼそぼそ言われるのを貴ちゃんが気になるって言うがやったら、よう住まんろうね。

地元の受け入れは

(山口)ご近所さんがバーベキューに呼んでくれたり、リフォーム終了祝いのお披露目会や、夏には一品持ち寄りの「おきゃく」(注釈2)を開催したりしました。

(岡本)昔はよく「おきゃく」も開いていたけど、みんなで集まるということは減ってしまった。でも、貴ちゃんが来て、リフォームのお披露目会がきっかけで前よりみんなが集まることが増えて、地域のつながりが深まった。今年も忙しくないときに集まりたいなぁ。

これから移住する人へのアドバイス

(山口)まずはあいさつ。それとわからないことがあったらどんどん自分から聞いてみる。聞いてみて嫌がる人はいないので、自分から地元に飛び込んでいく。あと、八重子さんに言われたことで「全員に好かれる必要はない」ですかね。

(岡本)無理だよ。嫌いなものは嫌いだもん。でも、表に出さんようにするのが人やと思う。だんだんいいところを見つけられるき。

(山口)気長にね。

(岡本)そうよ、時間をかければいいし、第一印象がよくなくても長く付き合っていくうちに、こんなところ好きとか出てくるから、最初から目標を高くしないほうがいい。向こうからあいさつしてくれてこっちも返してたらそこから関係が広がっていく。

(山口)お礼とあいさつは忘れないですかね。

 

(注釈1)「ぎっちり」とは、土佐弁で「いつも」のこと
(注釈2)「おきゃく」とは、土佐弁で「宴会」のこと

 

この記事は、平成29年度に行ったインタビューを収録したものです。

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