○香南市火災予防査察規程
令和2年10月12日
訓令第20号
目次
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 査察の計画と執行(第5条―第16条)
第3章 資料提出、報告徴収及び収去(第17条・第18条)
第4章 査察関係資料(第19条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この訓令は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第4条及び第16条の5の規定に基づく立入検査について、必要な事項を定めるものとする。
(1) 査察 消防対象物又は危険物製造所等に立ち入り、その位置、構造、設備及び管理の状況並びに危険物の貯蔵、取扱状況について質問及び検査等を行い、火災予防上の法令違反その他の不備欠陥事項について関係者に対して指摘又は指導をし、火災危険の排除を促すことをいう。
(2) 危険物製造所等 法第10条第1項に規定する危険物を貯蔵し、又は取り扱う製造所、貯蔵所及び取扱所をいう。
(3) 査察対象物 管轄区域内の消防対象物のうち、査察を行う対象とするものをいう。
(4) 査察員 査察に従事する消防職員をいう。
(査察の主眼)
第3条 査察は、査察対象物の施設及び管理の実態を明らかにして、火災予防上の適否を検認するとともに、火災時の人命の安全確保を主眼として行うものとする。
(査察の種別)
第4条 査察の種別は、次のとおり区分する。
(1) 定期査察 査察実施計画に基づき定期的に実施するものをいう。
(2) 特別査察 消防長が特に必要と認めて実施するものをいう。
(3) 追跡査察 不備事項の改善を促進するために実施するものをいう。
第2章 査察の計画と執行
(査察の実施計画及び報告)
第5条 消防長は、年度当初に査察員に年間計画を作成させ、計画的に査察を実施するものとする。
2 消防長は、特別査察を行うときは、その都度実施計画を定め、当該特別査察を実施するものとする。ただし、緊急その他特別な事由があるときは、この限りでない。
(走行中の移動タンク貯蔵所の査察)
第6条 法第16条の5第2項の規定による走行中の移動タンク貯蔵所の査察については、所轄警察署の警察官と合同で行うものとする。ただし、危険物が漏えいしている等緊急を要する場合は、この限りでない。
(関係行政機関との連携)
第7条 消防長は、査察の結果、他の法令の防火に関する規定の違反又はその疑いがあると認めたときは、その所管行政機関と十分な情報提供及び連絡調整を行い、当該所管行政機関と合同で立入検査を実施することができるものとする。
(査察員の遵守事項)
第8条 査察員は、査察の実施に当たり、法第4条及び第16条の5に定めるもののほか、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 関係法令に精通するとともに、査察に必要な知識の習得及び査察能力の向上に努めること。
(2) 関係者、防火管理者、危険物保安監督者その他の施設管理者等の立会いを求めること。
(3) 関係法令を遵守し、個人の自由及び権利の不当な侵害を避けるとともに、関係者の民事的紛争に関与しないこと。
(4) 香南市消防職員の服務に関する規程(平成18年香南市訓令第58号)に定める事項
(5) 香南市火災予防条例施行規則(平成18年香南市規則第158号)第2条に規定する証票を携帯し、関係者等から提示を求められた場合には、これを提示すること。
(査察拒否等)
第9条 査察員は、正当な理由がなく査察を拒否し、妨害し、又は忌避した者があった場合は、査察の趣旨を説明し、理解を求めるものとする。この場合において、これに応じない場合には、関係者の拒む理由等を確認するとともに、その旨を上司に報告し、指示を受けるものとする。
(事前準備)
第10条 査察員は、査察を重点的かつ効率的に実施するため事前に査察対象物の状況、過去の指導結果その他査察に必要な事項を把握し、事前準備を行うものとする。
2 査察員は、関係者に対する査察の事前通告について、あらかじめ検討する。この場合において、事前通告の必要があるときは、当該関係者と査察の日時その他必要な事項について、調整するものとする。
(査察事項)
第11条 査察は、査察対象物の実態に応じて、次に掲げるものの位置、構造、設備及び管理の状況等について行うものとする。ただし、当該査察対象物の状況に応じ、自主点検状況の記録、消防用設備等の点検記録その他の資料を確認し、その結果により必要と認める事項に限り行う事ができるものとする。
(1) 建築物及び工作物
(2) 防火管理者、危険物保安監督者等の業務遂行状況
(3) 火気使用器具及び火気使用設備
(4) 消防計画及び予防規程の内容
(5) 消防用設備等又は特殊消防用設備
(6) 避難施設及び防火施設
(7) 防炎処理
(8) 危険物製造所等、少量危険物及び指定可燃物
(9) 電気器具及び電気設備
(10) 各種届出等
(11) その他火災予防上及び消防活動上必要と認める事項
(査察結果の通知)
第12条 査察員は、査察を実施したときは、関係者に対して立入検査結果通知書(様式第1号)により通知するものとする。
(査察の報告)
第13条 査察員は、査察を実施したときは、速やかに消防長に報告しなければならない。
(事後の確認)
第14条 消防長は、関係者に対し、立入検査結果通知書により是正を指示した不備欠陥事項等の改善の状況又は計画について、改善(計画)報告書(様式第2号。以下この条において「改善報告書」という。)により報告させるものとする。ただし、内容が軽微なものについては、口頭によることができるものとする。
2 改善報告書の提出期限は、原則として立入検査結果通知書を交付した日の翌日から起算して20日以内とする。
3 消防長は、改善報告書の提出があった場合は、その内容を検討し、当該改善計画が社会通念上及び火災予防上妥当と認められないときは、その是正を求める等必要な指示を行わなければならない。
(追跡査察)
第15条 消防長は、前条に定めるもののほか、査察結果の履行確保のため必要があると認めるときは、追跡査察を行い、当該査察対象物の違反実態の推移を確認するとともに、不備欠陥事項の改善を促進しなければならない。
(違反処理)
第16条 消防長は、前条に定めるところにより追跡査察をしたにもかかわらず是正されず、火災予防上重要と認めるとき又は火災が発生した場合で、人命に危険があると認めるときは、香南市火災予防違反処理規程(令和2年香南市告示第137号。次条において「違反処理規程」という。)により処理するものとする。
第3章 資料提出、報告徴収及び収去
(資料提出等)
第17条 査察員は、査察に際し火災予防上必要があると認めた場合は、関係者に対して口頭により必要な資料の提出又は必要な事項の報告を求めるものとする。
3 法第16条の5第1項に規定する危険物又は危険物であることの疑いのある物の収去については、香南市危険物の規制に関する規則(平成18年香南市規則第159号)により行うものとする。
3 消防長は、保管した資料を紛失、毀損等しないよう保管するとともに、保管の必要がなくなった場合には、保管書と引換えに当該資料を提出者に還付するものとする。この場合において、当該保管書に受領した旨を奥書をさせるものとする。
第4章 査察関係資料
(査察台帳の整備)
第19条 消防長は、原則として1事業所を1単位として一括編冊した査察台帳を作成し、これを整備しておくものとする。
2 消防長は、前項の台帳の記載事項に変更を生じたときは、その都度修正するものとする。
附則
この訓令は、令和2年11月1日から施行する。
附則(令和4年3月25日訓令第3号)
この訓令は、令和4年4月1日から施行する。